2017年11月24日

「コンタクトセンター市場動向2018」まとまる


市場調査/マーケティング事業を行う株式会社日本・社会システムラボラトリー(本社:東京都渋谷区道玄坂1-12-1 電話番号:03-4360-5673 社長:足立 吉弘)は、企業や団体の問合せ窓口、営業チャネルとしての活用や市場調査などを行うチャネルとして活用されているコンタクトセンターで活用されているIT関連製品およびサービスの市場動向およびテレマーケティング会社が提供するアウトソーシングサービス市場動向を調査し、「コンタクトセンター市場動向2017」としてまとめた。

当調査においては、コンタクトセンターを支えるITインフラ/アプリケーションとして活用されている10種類の製品/サービス、アウトソーシングサービスとして提供されているテレマーケティングサービス2種類(インバウンド、アウトバウンド)と提供形態2種類(インハウス、フルアウトソーシング)の最新市場動向と将来予測についてまとめた。また、コンタクトセンター向けIT製品/サービスおよびソリューションを提供している参入企業10社(プロダクトメーカー3社、SaaS型プラットフォームベンダー3社、ソリューションベンダー2社)の最新の取り組みについてもまとめた。

⬛調査結果の概要

◆コンタクトセンターシステム市場

コンタクトセンターは顧客との接点として重要な役割を果たしてきた。顧客からの問合せ対応は顧客満足度に直結することもあり、効率的かつ細やかな対応が必要である。そのため、効率的に問合せを処理することや適切な情報提供を行うことにITが用いられてきた領域である。

コンタクトセンターで用いられているITインフラ(PBXやCTIなど)およびCRMなどの顧客管理システムについては多くのコンタクトセンターが既に導入を行っていること、コンタクトセンターを必要とする企業においては既にコンタクトセンターが設置されており新規にコンタクトセンターを立ち上げる企業が少ないことなどから基本的なIT製品/サービスについては飽和状態にあった点が市場の特徴である。

そのため、長い期間リプレースを中心とした市場として推移しており、採用されている製品/サービスも大きな変化がなく進んできたのが実情である。しかし、ここ数年でコンタクトセンター市場においてもクラウドサービスの活用が進んできたことで、個別構築型が採用されてきた領域においてもSaaS活用が進んできている。PBXやCTIを個別構築型で提供し、高いシェアを獲得しているジェネシス・ジャパンや日本アバイアなどもその流れを踏まえてクラウドサービスへの注力度を高めており、両社のパートナー企業もSaaS型プラットフォームの展開を進めている。

これまでは大規模コンタクトセンターにおいては個別構築型を主流としてきたが、クラウドサービス活用の動きが進んできたことにより徐々に個別構築型とSaaS型プラットフォームの両方を検討するコンタクトセンターが増えている。中小規模コンタクトセンターにおいては既にSaaS型プラットフォームの導入を前提としたRFPをソリューションベンダーに提示するケースも多い。この流れは今後更に強まると見られ、コンタクトセンターにおけるITインフラはクラウドサービスの比率が高まっていくことが予想される。

また、ITインフラのクラウドサービス化に合わせてCRMを始めとするコンタクトセンターで活用されているアプリケーションもSaaS型での採用が増えている。ITインフラでクラウドサービスを活用することにより、複数拠点で同一のITインフラを活用することが可能となり、アプリケーションについても統一する動きが出てきている点がその要因の1つとなっている。

更に、コンタクトセンターには顧客情報や顧客から寄せられた多くの声(VOC:Voice Of Customer)が蓄積されていることから、ビッグデータ分析やAI活用などを実現することが検討されてきている。現状、これらの活用に向けたデータの整理や蓄積が先行している状況にあるものの、IaaS/PaaSとして提供されているAIプラットフォームを用いた音声認識ソリューションや、音声認識システムとテキストマイニングツールを用いたAIソリューションが既に導入されている事例も出てきている。プロダクトメーカー、SaaS型プラットフォームベンダー、ソリューションベンダー各社においてもビッグデータ分析やAI活用に対応するための製品/サービス/ソリューションを打ち出しており、今後AI活用が進んでいくものとみられる。当レポートにおいても現状活用が進むAIを用いたソリューションの動向および現在発生している課題などについてまとめた。

◆コンタクトセンター向けアウトソーシング市場

テレマーケティング事業として企業/団体のコンタクトセンター運営やコンタクトセンター業務を実施しているアウトソーシング市場は経済環境の好転に伴い市場を拡大させている。特に、顧客企業/団体のデジタルマーケティングへの取り組みの強化を支援するためのサービスにおいて売上が堅調に推移している。

当該市場は顧客企業/団体の問合せ業務を支援するインバウンド業務の比率が高い点が特徴である。コンシューマ製品/サービスを提供する企業/団体の問い合わせ窓口となるコンタクトセンターのインバウンド業務を支援する案件が中心であるが、通販事業者向けに受注から発送までを一貫して提供するBPO案件の増加も顕著である。

また、労働人口の減少に伴いオペレーター確保に苦戦するコンタクトセンターが増えてきたことにより、オペレーターを多く抱えて効率化も進んでいるアウトソーサーに業務を委託する企業が増えている。顧客企業/団体のコンタクトセンター運営をオペレーター派遣により支えるインハウスへのニーズはもちろんのこと、運営すべてを委託するフルアウトソーシングの売上が増えるなど、当該市場におけるアウトソーサーの存在感が増している。


当レポートの詳細は「コンタクトセンター市場動向2017」を御覧ください。
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